働く世代のための「Withコロナ時代を乗り切るテレワークでの健康管理術(前編)」(運動編)

Exercising(運動)

「テレワーク」で不足しがちな運動。生活習慣病にならないための運動目安をわかりやすく解説

2020年は世界的にコロナ禍一色の年となりました。これまでの生活様式の変更が余儀なくされました。仕事の面においては「働き方」について大きく変化を求められた方も多いのではないでしょうか。

筆者自身も2020年春から主にテレワークにて仕事をしています。何もしないと確実に運動不足を感じたこともあり、テレワークでどのように運動量を確保してゆくか実体験をもとにご案内できればと思います。

今回はコロナ禍の影響で導入が加速した「テレワーク」に着目しました。

健康管理には「食生活」「睡眠」「運動」「ストレス」などの重要項目がありますが、今回は「テレワーク」で直接的に影響の大きい「運動」に着目します。

運動不足になりがちな「テレワーク」で我々はどのように日々の適切な運動をすればよいのか、具体的な事例を紹介を交えて解説します。

<目次>

  1. 生活習慣病予防に効果がある運動量とは?
  2. 「身体活動」と「運動」の違いは?
  3. 運動量の単位「メッツ(METs)」って何?
  4. 通勤の運動量はバカにできない
  5. 具体的な「テレワーク」での運動目安
  6. 運動以外の生活習慣ももちろん大切

1.生活習慣病予防に効果がある運動量とは?

厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準 2013」によると

・18歳~64歳(本記事は「働く世代」を対象としています)

・健康診断結果が基準値以内

の方であれば、

・毎日、3メッツ以上の身体活動を60分

・週に3メッツ以上の強度の運動を60分

とあります。いきなり何をやっていいのかわからない感じですが、少しずつ読み解いていきましょう。

2.「身体活動」と「運動」の違いは?

まず、「身体活動」と「運動」の違いは厚生労働省によると

身体活動:歩行又はそれと同等以上

運動:息が弾み汗をかく程度

とあります。これは「運動」という言葉に社会通念上皆さんがもっているイメージと近しいと考えてよいかと思います。

身体活動には「皿洗いをする」「洗濯」「子どもと軽く遊ぶ」というものが含まれます。

また、運動については「ジョギング」「ラジオ体操」「腕立て伏せ」「腹筋運動」など一般的に皆さんが健康維持のために一人でも取り組めるものや「野球」「ゴルフ(練習場も含む)」「スキー」など趣味・レジャーで行う運動ももちろん含まれています。

友人などから「最近運動している?」と聞かれ皿洗いや洗濯だけしかやっていなかったら「運動している」とは答えないと思います。

一方で週に1回は必ずゴルフの打ちっぱなしに通っている場合は「運動している」と答えると思います。

以上のことから

・毎日、3メッツ以上の身体活動を60分 → 生活の中で自然に実施できる身体活動を60分以上やる(ただし、3メッツ以上)

・週に3メッツ以上の強度の運動を60分 → 週に1回どこかで息が弾み汗をかく運動を60分以上やる(ただし、3メッツ以上)

と整理できます。では具体的にどんな内容をやればいいのかを理解するために上記の「ただし、3メッツ以上」の部分を読み解きましょう。

3.運動量の単位「メッツ(METs)」って何?

メッツ(METs)とは、

『運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したもの。』

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-004.html

と定義されています。

何もしていないとき(座ったり、寝転んだりしている状態)を「1」とした場合に対象の運動がどれくらいの強度かを数値化したものになります。

この数字が大きいほど「身体的にきつい運用」小さいほど「身体的に楽な運動」となります。「身体的に」と記載したのはあくまで運動量の強度でやりたくない、苦手な運動は強度が低くてもきつい、と感じることがあるので、念のため補足しておきます。

国立健康・栄養研究所の栄養・代謝研究部のホームページにかなり細かく定義が公開されています。

例えば、運動の場合

ボクシングの試合 12.0メッツ

バスケットボールの試合 8メッツ

卓球 4メッツ

など激しく体を動かすものほど高い数値になっています。

身体活動の場合は

掃除機をかける 3.5メッツ

食料品の買出し:立位や歩行 2.3メッツ

歩く:通勤や通学:4メッツ

自転車に乗る 8メッツ

とあります。

詳しく知りたい方は下記をご参照ください。

https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/pdf/mets_n.pdf

つまり先ほどの

・毎日、3メッツ以上の身体活動を60分 → 生活の中で自然に実施できる身体活動を60分以上やる(ただし、3メッツ以上)

・週に3メッツ以上の強度の運動を60分 → 週に1回どこかで息が弾み汗をかく運動を60分以上やる(ただし、3メッツ以上)

は具体的な身体活動、運動に置き換えると

・毎日、3メッツ以上の身体活動を60分 → 自宅から最寄り駅まで駅徒歩15分程度歩き、会社最寄りの駅から会社まで15分程度歩いていればこれだけで達成です。職種によっては外回りもあるので、十分な運動量が平日に確保できるといっていいでしょう。また、日々何らかの家事を実施するはずなので、普通に生活を行っていればここが問題なることはなさそうです。

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